寝言

全部寝言なんで

ずるい

 

 

夢がない私の浅い願望は叶わないのだなあとつくづく思う。この世は絶望に溢れている。電話なんか嫌いなのにどうしてだか声が聞きたい、こんな夜に限って冴え切ってしまう。努力できない弱さへの罰なのだと思う。誰のためかもわからないまま髪を伸ばして、爪を切り揃えて、明日の服装に頭を悩ませて、私はなにがしたくて日々を流していくんだろう。人に文句を言えるほどの生活なんて送っていないのに、私の中で無意識に矢を向けてしまう。ちがう、そんなこと言いたいわけじゃない。こうなってほしいわけじゃない。どうしていつも、少しの期待は握り潰されて、一番望まないものが生まれてしまうんだろう。カレンダーを埋めたいわけじゃない。空っぽの私の中身をなにかで埋めたかった。私の中身はきっと21gの重さもない。脳と、目と耳と、肺と胃と、底無しの欲が満たされていたかった。ひとりの帰り道、音楽なんて好きにならなければよかった。理解できるものが増えると、もうこどもではいられないということを嫌でも突きつけられる。11月はいつもいつもなにかがぽっかり空いてしまう。それは、眠ってる間ですら、藻搔いてしまうほど。