寝言

全部寝言なんで

飲まれる

 

冷たい指先の感覚、もう忘れてしまっただろうか。いつかそれが当たり前になるって、それが生活だってことも、もう忘れてしまっただろうか。突然外は寒くなって、胸の奥の方まで吹雪いてきた。もし私があの子で、あの子が私だったら、私は君の一番になれたかな。あの子は君の何になっていたかな。もうすぐ夜が来る。夢が追いかけてくる。私の首に手をかける。

生活の音が聞こえなくなったとき、幸せがなくなったような錯覚に陥る。『幸せは途切れながらも続くのです』そんなの信じていたっけ。無敵の気持ちを手に入れたと思い込んでいた。思い込みに過ぎなかった嘘たち。捨てられて可哀想に。夜が迎えに来た。呪いをかけたのは、私だけじゃないみたいだ。視力を奪われたような絶望感。苦しくて笑っちゃうような、そんな終末観。

君と最期の夢をみた。