寝言

全部寝言なんで

点滅しなくなった

 

 

浮かれたり落ち込んだり馬鹿みたいだな人間って。自己防衛のためにどうでもいいふりして、気持ちが後からついていくから安心できるんだ。いい子いい子。ウィスキーが回ってきた。家でお酒を飲むの、虚しくなるから好きじゃないんだよな。なんにもする気にならないなぁ、目瞑ったら意識飛んじゃいそ。

全部の日に特別な感情ができてしまいそうで、ちっとも嬉しくない。そんなのはクリスマスと誕生日だけで十分だった。因果応報って言うんだっけ、こういうの。絶対にバチが当たるんだ。地獄はここだったんだ。しがらみが憎い、一方的な特別なんて迷惑でしかない。目の奥でぱちぱち点滅する銀色が近頃まったく姿を消してしまった。泣きたいのはこっちだよ。駅のホームで心だけがしゃがみこんで、その様子を抜け殻の私が見つめてた。でも、さわれなかった。一人で願い事をする夜なんてもう何年も前のこと。あ、諦め上手になりつつあるんだ。画面越しに放たれる、規則的な文字を連打して、まるで私が言われてるかのように自分に言い聞かせて、幸せだこんな毎日。自分を幸せにできることはいつだって自分が一番わかってるんだから、涙が出ちゃうよね。これが幸せじゃないってことも、わかってるんだからさ。