寝言

全部寝言なんで

動揺は冷静の下に生まれる

 

 

 

私はずっと予想していた。わかりきっていた。全肯定してほしいなんて虫が良すぎるんだよ。悪い予感でも明るい未来でもない、取るに足らない、ただの出来事。水面に波紋が生まれたたった1.5秒、顔色を伺われたホテル街が涙を流している。濁った光を永遠に続けている。問うた二文字に返ってくる言葉はひとつだけだとわかっていたのに、内側は独りでに零れ落ちた。「馬鹿だな」と笑う声が体内に巡るのを、理解しきれずに動揺した。私が欲しくて欲しくてたまらなかった四文字は、言葉の意味を持ち合わせていたのだろうか。怖くて引き金を引けなかった、得体の知れない塊はオモチャの拳銃だったのかもしれない。カレンダーのピンク色が薄れていく。四肢は以前よりも軽くなった。中身がどろどろと溶け出して、意味も何も空っぽになった抜け殻、どうぞ好きに扱ってくれ。人肌が暑苦しいのも誰かにとっての朗報になる。きっとそんな時がくる。一年に何度だって同じ季節を巡ることができるんだ、意味を持つことがそれを実現させる。先に気づけた方が不幸を回避できるのは必然だ。運命なんか信じていない、妥協点で出会ったことを運命だと勘違いしている人間たち。そっちが普通の世界なのも、首にかけられている縄にも気づいている。ただ、たったそれだけのことでも私は求めていた。感情が真っ逆さまになるのは一瞬だ、世界は一瞬で変わる。変わらないための四文字が何かを変えてしまった。確信を形にしてしまったことは、罪に問われるべきであるのに、そのことには誰も気づけなかった。もちろん、私にもわからなかった。