寝言

全部寝言なんで

息を吐くようなもんか

 

 

平気で嘘をつくのが普通の生き方なんだって知った。子供の頃は知らなかった。上手か下手かは二の次で、嘘をついて生きるのが人間の在り方らしい。私も上手になってきた。何食わぬ顔で口から虚構を生むことができるのは天才だと思っていたけど、案外無意識的な、普通のことみたいだ。みんなよく嘘をつく。その度合いが重いものもあるし、わざわざそれを「嘘」というカテゴリーに当てはめるほどでもないようなちょっとしたこともある。今までそれらは、罪だと思うべきだと認識してた。どうやら私が馬鹿正直すぎたらしい。そういう学びもあってか、言わなくてもいいことも、ついていい嘘もあるんだよ。と考えるようになった。大人の生き方っていうのはそういうものらしい。知らぬが仏とはよく言ったものだ。嘘をつくのが下手な私は他人を欺くゲームが苦手だけど、普通の生き方をすればいいってことなんだから、もう少し適当にやり過ごせればいいのになぁと思う。