寝言

全部寝言なんで

はっきりさせたくない

 

 

 

夕焼けより朝焼けの方が、ぼんやりしていて好きだなってこの間気がついた。ぽつぽつ、駅に向かって歩く人たちと反対に流れていく自分自身が、なんだか少しおかしいみたいで、その瞬間は自分が特別になった気がして少し嬉しくなる。現実じゃないみたいな、白くふやけた視界と珊瑚色が柔らかくて安心する。結局綺麗で柔らかいものが嫌いな人間なんていないんだろうけど。まだ夜に腕を引かれてる人たちを横目に、私は誘い満たされるんだ。今だけは私のための夜が生まれる、朝を迎えに行く、時間と追いかけっこする準備の朝焼けが、私を誘い満たしてくれる。