寝言

全部寝言なんで

無題でいいです

 

 

晴れた日の夜の星が好きだった。白黒の小鳥が可愛かった。クレープが甘くて嬉しかった。新しく買った服を着るのが楽しみだった。帰りの電車で揺られながらうとうとするのが心地よかった。伸びてきた髪を見るたびに頑張れている気持ちになれた。暑いのも寒いのもうんざりするほど文句を言った。冷えた腕も寂しくなかった。大人になってからは綺麗な女の子たちを羨んでいた。何年もずっと男の子に対して何かを思うことはなかった。前髪をまっすぐに切り揃えたくて堪らなかった。可愛いと思われたかった。ずっと自信がなかった。どこで踏み外したのか、自己嫌悪が薄まることはなかった。小さい頃から愛されて育ってきたはずなのに、私はどこかが欠けている。好きなものはたくさんあったはずなんだ。夜の星と月が悲しかった。見たくなかった。