寝言

全部寝言なんで

他人の不幸が美味しい季節

 

 

地獄みたいな一年だった。どの季節を思い出しても、気分が悪くなるし目尻が濡れる。命を繋ぎ止める一瞬の輝きを、見逃さずに見捨てずに愛し続けたい。随分卑屈になってしまったなあ。暖房の風が肌寒くて、大人になれていない私は一生届くはずのない温もりを淡く薄く考えるままで。春の匂いの恐ろしさ、ポケットの中で溶けていくチョコレートの寂しさ、メンソールのきつい爽やかさすべてが嫌いになりそうな焦燥感。せめてその季節が来る前に、自分の存在意義を認めてもらえるような踏み台を見つけておきたかった。全肯定されたいわけじゃない、ただ安心したかったんだ、解放されたかったんだ。このまま終われたら、眠りたいな。