寝言

全部寝言なんで

あるわけない話

 

 

交わって溶け合ってやがてひとつになっていくのかななんて思ってしまう。ところどころ灰色の空はふたつがきちんと分け隔てられていてひどく安堵した。考えてみれば人間がひとつになるなんてことはありえないのだ。360度支配する斑色の空は、私が勘違いをしないように戒めているようにも思える。この目に見えている情景も、君のその視線と歌声のあたたかさも、拙い言葉では形容できないような感情も、別々のものでは共有ができないのに、いつかすべてが混ざり切って全部知ることができるのかなというぼんやりとした夢想がやめられない。たしかに君の声は私の中に溶かされて広がっていくのに。いつか可能性が生まれるなら、私の中に堆積している痛いくらいの愛おしさを君の中に溶かしていきたい。